はじめに
マンションやアパートの賃貸経営にあたっては、所有物件を管理する賃貸管理業務が発生します。賃貸管理は運用の成否を左右する重要な業務ですが、「具体的にどのような業務を行う必要があるのかわからない」とお困りの場合や、「自主管理ではなく不動産管理会社を利用するほうがいい？」などとお悩みの場合もあるかもしれません。
そこで、今回は賃貸管理の業務内容や管理形態に触れながら、不動産管理会社の役割やメリット・デメリットについて詳しくまとめました。また、管理会社を選ぶ際にチェックしたいポイントや、LIXILリアルティが手がける賃貸経営サポートサービスの魅力もあわせてご紹介します。
ぜひ参考にしながら、不動産賃貸管理に関する知識を深めていきましょう。
LIXILリアルティでは、賃貸経営サービスを提供しています。賃貸物件をお持ちのオーナー様やこれから物件を所有しようと検討している方など、賃貸管理についてお悩みがありましたら、ぜひお気軽にご相談ください。
賃貸管理とは
賃貸管理とは、所有物件を賃貸に出す際に発生する管理業務のことです。具体的には、入居者募集や入退去時の手続き、家賃回収、クレーム対応などの「賃貸管理業務」と、建物・設備のメンテナンスや日々の清掃、修繕工事の手配といった「建物管理業務」の2種類があります。
これらの管理業務が適切に行われなければ、空室がなかなか埋まらなかったり、入居者の満足度が低下して退去につながったりといったさまざまなリスクがあり、安定した賃貸経営を期待できません。収益を最大化させるためには不動産賃貸管理をしっかりと行い、リーシングや快適な住環境の維持に尽力することが大切です。
賃貸管理の2つの形態
賃貸管理には、オーナー自身が管理を行う「自主管理」と、不動産管理会社に業務委託する「委託管理」の2種類の形態があります。以下で両者の特徴を把握し、所有物件やオーナーのライフスタイルに合った形態を慎重に見極めましょう。
自主管理
自主管理は、所有物件の賃貸管理業務をオーナー自身が行う方法です。外部業者への委託費用を削減できる魅力があるほか、建物や入居者の状況を自分自身で把握しながら経営を行える点もメリットとして挙げられます。
一方で、賃貸管理業務は多岐にわたることから、オーナーが自ら対応する場合は膨大な時間や手間がかかる点に注意が必要です。また、家賃未払いの入居者へ督促の連絡をしたり、クレームやトラブルへの対応を行ったりと精神的負担も大きく、特に賃貸経営の経験が少ない場合は大変さや難しさを感じることも多いでしょう。
委託管理
委託管理は、所有物件の賃貸管理業務を不動産管理会社に委託する形態です。入居者対応業務や建物管理業務のすべてをプロに一任することにより、オーナーの時間的・心理的負担が軽減されて手軽に賃貸経営を行えます。
ただし、不動産管理会社への業務委託にあたっては当然ながら費用が発生します。また、管理会社によってサービス内容や対応品質が大きく異なり、場合によっては「せっかく委託しているのに満足できる成果を得られない」などと不満を感じる可能性もある点に注意しましょう。
不動産管理会社の役割
前述のように、賃貸管理には自主管理と委託管理の2種類の形態がありますが、一般的には不動産管理会社への委託管理によって賃貸経営を行うケースが多くみられます。ここでは、管理会社の主な役割について詳しく見ていきましょう。
自主管理の負担を軽くする
不動産管理会社には、オーナーの自主管理による負担を軽減する役割があります。賃貸管理業務のすべてを自主管理で行うことは負担が大きく、特に所有物件の数が多い場合は極めて困難であることから、管理業務を委託できる不動産管理会社の存在は非常に心強いです。
適切な管理で賃貸経営に貢献する
適切な管理によって魅力的な住環境を整備し、収益の最大化に貢献することも不動産管理会社における重要な役割です。空室対策や設備メンテナンスといった専門知識を要する業務をプロが担当することで、自主管理よりも効率的に安定した賃貸経営を目指せます。
不動産管理業務の内容
続いては、不動産管理会社の業務内容について押さえておきましょう。大きく「賃貸管理」と「建物管理」に分けられ、それぞれの具体的な業務は以下の通りです。
賃貸管理
不動産管理会社が行う賃貸管理には、次のような業務があります。
- 入居者の募集
- 賃貸借契約の手続き（新規・更新）
- 家賃の集金、滞納者への督促
- トラブル・クレーム対応
- 退去の立会い、敷金の精算
- オーナーへの報告
各業務について、以下で詳しく解説します。
入居者の募集
不動産管理会社は、退去者が出て空室が発生したらすぐに次の入居者を募集します。各種不動産ポータルサイトやSNS上に広告を出したり、ほかの不動産会社に仲介を依頼したりといった方法で募集をかけるケースが一般的です。
賃貸借契約の手続き（新規・更新）
新規入居者が決まった場合や、契約更新の居住者がいる場合、不動産管理会社はオーナーに代わって賃貸借契約手続きを行います。入居者の審査や賃貸借契約書や重要事項説明書の作成・説明には専門的な知識が求められるため、不動産管理会社に業務委託できると安心かつスムーズです。
家賃の集金、滞納者への督促
不動産管理会社は問題なく家賃が振り込まれているかどうかを確認し、振り込まれていない場合は該当の入居者に対して督促等の対応を行います。電話や口頭で催促しても振り込まれない場合は督促状を送付したり、何度連絡しても解消されない場合は契約解除の予告通知書を送付したりと非常に手間がかかることから、管理会社への代行依頼がおすすめです。
トラブル・クレーム対応
建物内でトラブルが発生した場合の応対や、入居者からのクレーム対応も不動産管理会社の基本業務です。トラブルやクレームの内容はさまざまですが、一般的には騒音や異臭・悪臭、水漏れ、ペット関連、ゴミ出しのルール違反、設備の不具合、住民同士のいざこざなどが挙げられます。
トラブル・クレーム対応に慣れている管理会社へ業務委託すれば、過去の経験やノウハウをもとに迅速な解決へと導いてくれるでしょう。
退去の立会い、敷金の精算
不動産管理会社へ業務委託を行えば、入居者が退去する際の対応も任せることが可能です。具体的には、解約申込の受付や退去時に立ち会って物件内部の状況を確認し、原状回復の責任範囲を明確にしたうえで敷金の清算を行います。
たとえば壁に汚れや傷がみられた場合、借主に原状回復義務があるのか、それともやむを得ない劣化と捉えて費用を請求しないのかを慎重に判断しなければなりません。敷金精算においては双方の言い分の食い違いによってトラブルになりやすい傾向があることから、オーナー自身で行うのではなく不動産管理会社へ依頼するほうが得策といえます。
オーナーへの報告
不動産管理会社は、少なくとも年に1回以上オーナーへ定期報告を行うことが義務付けられています。管理業務の実施状況や入居者からのクレームの発生・対応状況等の詳細を共有してもらえるため、「管理会社がどのように管理や対応を行っているのかわからない」と不安を感じることはないでしょう。
建物管理
一方、不動産管理会社が行う建物管理は次のような業務です。
- 建物の維持管理
- 設備の維持管理
- 清掃業務やゴミの管理
- 長期修繕計画の策定と実施
- 修繕工事の手配
それぞれの詳細について、以下で詳しく見ていきましょう。
建物の維持管理
不動産管理会社は、エントランスや共用廊下、外壁、屋上、駐車場、庭といった共用部分の点検を定期的に行います。たとえば共用廊下のライトが切れていないか、外壁に剥がれ等はないか、庭の除草の必要はないか等を確認し、必要に応じて修繕の手配を行うなど、日常的なメンテナンスによって物件の価値を維持する役割があります。
設備の維持管理
設備のメンテナンスも、不動産管理会社が担う重要な業務です。設備の点検には、法律に基づいた点検が義務付けられている法定点検と、不動産管理会社の判断によって任意で行う任意点検があり、特に法定点検に該当する下記の業務は物件の長期的な維持・管理に欠かすことができません。
- 消火器具やスプリンクラー、火災報知機、誘導灯といった消防用設備の点検
- 有効容量の合計が10平方メートルを超える貯水槽や高架水槽の検査
- 浄化槽の保守点検や清掃、定期的な水質検査
- エレベーターの定期点検
清掃業務やゴミの管理
不動産管理会社は、清掃業務やゴミの管理も担当します。清掃業務には掃き掃除などの日常清掃業務のほか、共用廊下やエントランス付近の高圧洗浄といった定期清掃業務もあり、入居者にとって快適な住環境をキープするため、さらには物件の資産価値を維持するために大変重要な業務です。
長期修繕計画の策定と実施
物件の資産価値を維持するため、不動産管理会社は長期修繕計画の策定も行います。適切な時期に適切な修繕がされなければ劣化を早めることにつながり、それによって空室リスクが高まることが想定されるため、プロの視点から物件に合った修繕計画を立ててもらうことは大変重要です。
修繕工事の手配
策定した長期修繕計画に基づき、必要な工事の手配を行うことも不動産管理会社の役割です。あらかじめオーナーに工事時期や予算、具体的な工事内容について相談したうえで業者を手配したり、工事について入居者へ周知したりといった各種対応を行います。
長期修繕計画を策定したり、修繕工事の手配をしたりなどの建物管理を含め、物件の管理業務をオーナー様自身で実施するのはとても大きな負担になります。LIXILリアルティの賃貸経営サービスでは、リーシングから入居者対応、建物メンテナンスまで、オーナー様のニーズに合わせた手厚いサポートで、安心して管理業務をお任せいただけます。
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不動産管理会社を利用するメリット・デメリット
ここまでご紹介した不動産管理会社の業務内容を踏まえたうえで、管理会社を利用するメリット・デメリットに注目してみましょう。
不動産管理会社を利用する4つのメリット
不動産管理会社を利用して物件の管理を委託する場合、オーナーは下記のような4つのメリットを得られます。
1. 管理の手間が少なくなる
不動産管理会社を利用する最大のメリットとしては、賃貸管理におけるオーナーの負担を大幅に軽減できることが挙げられます。特に規模の大きな物件を所有している場合や複数の物件を運用する場合、遠方に物件を持っている場合は管理業務に手間がかかりやすいため、管理会社への業務委託がおすすめです。
また、クレーム対応や家賃督促といった心理的負担の高い業務も一任でき、ストレスフリーな賃貸管理を目指せることもうれしい魅力です。
2. 空室が解消され収益が安定化する
物件の賃貸管理を不動産管理会社に依頼すれば、積極的な入居者募集活動によって効果的な集客を見込めます。入居希望者の対応も任せられて手間なく空室対策を行えるほか、空室の解消によって収益の安定化が期待できることも大きなメリットです。
3. 賃貸経営のエキスパートに管理を任せられる
賃貸経営のノウハウを有するエキスパートに管理を任せられることも、不動産管理会社を利用するメリットのひとつです。各種管理業務への経験が豊富なスタッフが担当してくれるため、安心感を持って賃貸経営に臨めます。
4. トラブルに迅速に対応してくれる
トラブルやクレームへの体制が整った不動産管理会社を利用すれば、問題解決に向けてスピーディーに対応してもらえます。特に、本業を持つオーナーの場合は迅速な対応が難しく、場合によっては対応の遅さがさらなるクレームを生むこともあるため、不動産管理会社に一任できると非常に安心です。
不動産管理会社を利用する2つのデメリット
上記のようなメリットがある一方で、不動産管理会社を利用する際には次のような注意点もあります。
1. 管理手数料がかかる
不動産管理会社に業務委託を行う場合、毎月の管理手数料が発生します。管理手数料は利用する管理会社によって異なりますが、一般的には家賃収入の5〜10%が相場です。
当然ながらこの費用は自主管理では発生しないため、受け取れる利益が減ってしまうことを認識しておく必要があります。
2. 管理会社によって管理品質に差がある
依頼する不動産管理会社によっては、管理業務の範囲が狭かったり、問い合わせへの対応が遅かったりして満足のいく対応を得られない場合もあります。実際に契約してから後悔することのないように、求める管理レベルを明確にしたうえで慎重に管理会社を選定することが大切です。
不動産管理会社を選ぶときのチェックポイント
適切な不動産管理会社を選ぶためには、下記の3つのポイントに注目するとよいでしょう。
- 集客力があるか
- トラブルにすぐ対応できる体制があるか
- 管理手数料が適正かどうか
具体的にどのような基準で選ぶ必要があるのか、以下で詳しく解説します。
集客力があるか
集客力が高い不動産管理会社からサポートを得られれば、空室の解消によって安定した収益を確保できます。そのため、空室対策としてどのような対応を行ってくれるのかを確認して、入居率を高める工夫を積極的に行っているなど、空室を埋める提案力が高いところを選ぶとよいでしょう。
トラブルにすぐ対応できる体制があるか
トラブルに迅速に対応できる体制が整っているかどうかも、不動産管理会社選びにおいてぜひチェックしたいポイントです。目安としてはトラブル発生時に1時間以内に現場へ向かえる体制が理想的とされているため、そういった対応が叶う管理会社を選定することをおすすめします。
管理手数料が適正かどうか
不動産管理会社を選ぶ際には、管理手数料が適正かどうかも慎重に見極めましょう。単に費用のみをチェックするのではなく「その費用内でどのような管理をしてもらえるのか」を確認し、サービスの質と費用のバランスを見て決めることが大切です。
管理会社の選び方については、以下の記事でも詳しく解説していますのでご覧ください。
＞＞管理会社の選び方ポイント5選
賃貸物件の委託管理をお考えなら
「手厚いサポートを受けられる不動産管理会社へ賃貸管理を委託したい」とお考えなら、LIXILリアルティの賃貸経営サービスを利用されてはいかがでしょうか。LIXILリアルティでは賃貸管理と建物管理のトータルマネジメントを実施しており、下記の業務を通じて“資産運用の最大化”をサポートしております。
- 最適な家賃の設定
- 入居者の募集・審査
- 賃貸借契約書の作成・締結
- 入居者の指導・管理
- 家賃・共益費などの徴収
- トラブルやクレームへの24時間対応
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まとめ
賃貸経営を成功させるためには、リーシングや快適な住環境の維持といった賃貸管理に尽力する必要があります。オーナー自身の自主管理によって対応可能な場合もありますが、各種業務への専門知識やトラブルへの対応力が求められることを考慮すると、不動産管理会社へ業務委託するほうが得策といえるでしょう。
ただし、管理会社によって手数料やサービス内容が異なるため、適正な費用でしっかりとした管理を行ってくれるところを選ぶことが大切です。ぜひ信頼できる管理会社を見つけて、スムーズかつ安定した賃貸経営を目指してみてください。
