高層マンション

はじめに

さまざまな投資手法があるなか、副業や定年後の収入源、節税対策として人気の高いマンション経営。特に、分譲マンションの1室を購入して貸し出す区分所有により、投資額を抑えて経営を始めるスタイルが人気です。

しかし、一部では「マンション経営は儲からない」といった声もあり、本当に始めるべきかどうか悩んでいる方もいるのではないでしょうか。

そこで、今回はマンション経営の仕組みや儲からないと言われる理由に触れながら、マンション経営を行うメリットについて詳しく解説します。また、儲からないマンション経営にしないためのポイントや、経営を行ううえで重要なパートナーとなる不動産管理会社の選び方についてもまとめました。

マンション経営に興味がある一方で不安を感じている方や、現在マンション経営を行っていて収益が少ないとお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。

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マンション経営の仕組み

統計データと計算ツール

まずは、マンション経営で利益が出る仕組みについて理解を深めておきましょう。

そもそもマンション経営とは、購入したマンション物件を賃貸に出して家賃収入を得る資産運用法です。また、入居者から支払われる礼金や更新料もオーナーにとって貴重な収入源となっています。

とはいえ、そういった収入のすべてが利益になるわけではありません。基本的には収入から物件購入費用(ローン返済費用)や固定資産税、修繕費、管理会社への委託費などを支払い、残りが利益になる仕組みです。

不動産オーナーについては以下の記事でも解説しています。
>>不動産オーナーになるには?仕事内容やメリット・リスクを解説

マンション経営が儲からないと言われる5つの理由

マンション経営が儲からないと悩んでいる人

マンション経営は、軌道に乗れば長期的に安定した収益を得られる可能性があります。実際に成功している方は多く、特にアパート経営においては全国の平均利回りが8%に達するほどです。

しかし、なかには経営がうまくいかずに悩むケースもあり、マンション経営は儲からないと言われることも少なくありません。ではなぜ儲からないと言われてしまうのか、ここではその背景にある5つの要因について詳しく解説します。

1. 入居者の維持が難しいため

マンション経営は儲からないと言われる原因のひとつに、入居者を維持することの難しさが挙げられます。新築時であれば入居者を集めやすいですが、築年数が長くなるにつれて空室率が高まりやすくなるため、儲かりにくさを感じる方も少なくありません。

また、日本における人口減少の加速化も空室リスクを高めている要因と言われています。特に近年では東京圏への人口の一極集中が顕著で、地方のマンションで空室を埋め続けることは非常に難しい状況にあり、そういった側面も儲からないといった意見につながっています。

2. 長期間の運用が前提であるため

マンション経営は10年、20年といった長期間の運用が前提であり、一朝一夕に利益を出せるものではありません。物件購入時に必要な自己資金や毎月のローン返済、建物の維持・管理費を考慮すると、入居者が少ないうちは赤字が続くことも予想されます。

実際に収益が伸びたと感じられるのはローンの返済などが終わってからになることが多く、短期的な投資方法と比較すると儲からないイメージを持たれやすい印象です。

3. ローンの負担が大きいため

マンション経営を行う際には物件を購入、または新規に建築する必要があり、そのためには数千万円~数億円のローンを組む必要があります。このような多額の融資を受けることは負担が大きいほか、マンション経営がうまくいかずに自己破産に追い込まれてしまうリスクも伴うことから、ハードルの高さを考えて儲からないと考える方も少なくありません。

4. 家賃低下のリスクがあるため

近年は先述した空室リスクに加え、地域によっては家賃相場が下がっていることも問題視されています。 2022年版LIFULL HOME'Sのマーケットレポートでは、大阪や神戸の一部の地域では家賃が低下傾向にあり、賃貸経営において家賃を引き下げざるを得ない場合があります。 しかし、東京や横浜などの都市部では家賃が上昇している地域もあり、立地や市場の状況に応じたリスク管理が必要です。

空室を回避するためには所有物件が立地しているエリアの家賃相場に見合った家賃を設定する必要があり、周辺物件の家賃が低下すれば所有物件の家賃も減額せざるを得なくなります。

そうなると必然的に収入が減ってしまうことから、賃貸経営は儲からないと感じる方も多いようです。

5. マンション経営の知識や経験が少ないため

マンション経営における知識や経験が少なく、うまく賃貸経営を進められずになかなか黒字化できない状態に陥るオーナーがいることもマンション経営は儲からないと言われる要因のひとつです。実際、マンション経営では物件選びや資金計画、入居者募集、管理業務といった多くの業務を行う必要があり、自主管理によって適切に対応することは非常に難しいと言われています。

不動産管理会社へ業務委託をすればプロのサポートを得ながら賃貸経営を進めていけますが、なかには「少しでもコストを減らしたい」と無理やり自力で管理を行う方も少なくありません。そうして失敗に終わってしまうケースもあり、「初心者がマンション経営に手を出しても儲からず、むしろ損失を生みやすい」といった声につながっていると考えられます。

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マンション経営のメリット

マンション経営のメリット

マンション経営は儲からないと言われることもある一方で、マンション経営だからこそ得られるメリットもたくさんあります。特に注目したい魅力は以下の3点です。

長期的な収入を期待できる

マンション経営における最大のメリットは、所有する物件に入居者がいれば長期的に家賃収入を得られることです。ローンの返済が終われば収入がそのまま利益となり、手元に残る金額も増えていくため、将来を見据えた資産にできます。

実物資産として残せる

実物資産として形に残ることも、マンション経営ならではの魅力です。たとえば株式や債権、仮想通貨などは発行元の破綻によって価値が消滅してしまうリスクがありますが、不動産の場合は価値が下がることはあってもゼロになることはありません。

ちなみに、マンションは耐用年数が長い鉄筋コンクリート造や鉄骨造であることが多く、老朽化が進んでいても価値が下がりにくい傾向があります。また、建物の価値が下がっても土地の価値は変わらないため、自身での運用が難しくなった場合に売却がしやすい点もうれしいメリットです。

節税効果を得られる

マンション経営は、相続税や贈与税、所得税などの節税対策としても有効な資産運用法です。

まず不動産は現金と比べて相続税の評価額が低く、特にマンションのような収益物件は現金で相続する場合の半分ほどの評価額となります。つまり、仮に1億円の資産を相続する場合に現金なら相続税評価額は1億円ですが、マンションであれば5,000万円ほどを評価額として課税されるため、同じ額の現金を相続するよりもマンションを相続するほうが相続税を抑えられます。

また、生前に所有マンションを贈与すれば相続税の負担も軽減できます。贈与税は毎年110万円まで非課税で贈与できるため、分割して贈与することで高い節税効果を期待できるでしょう。

さらにマンション経営にかかわる諸費用は経費として所得から控除できるほか、建物部分の取得費用も減価償却によって経費にできるため、所得税の節税対策としても大変有効です。

儲からないマンション経営にしないためのポイント

マンション経営のポイント

では、儲からないと言われることもあるマンション経営で儲けるためにはどのようなことに注意したらよいのでしょうか。ここでは、成功のポイントをいくつかご紹介します。

入居者のニーズがある物件を選ぶ

まず意識したい点が、入居者にニーズがある物件を選ぶことです。家賃収入を維持できるかどうかは物件の需要に大きく左右されることから、入居者目線で住環境の良し悪しや交通の利便性などをしっかりと見極める必要があります。

そのためにはインターネット上のみで情報収集を行うのではなく、現地に足を運んで調査することが大切です。また、周辺物件の空室率もチェックしてマンション需要が高いエリアかどうかを判断したり、最寄り駅の開発計画に注目して将来的な需要も視野に入れたりと、さまざまな角度から物件の収益性を見極めることをおすすめします。

さらに、周辺にどのような施設があるのかをチェックし、間取りの需要について検討することも有効な手段です。たとえば大学周辺の立地であればワンルームの間取り、大きな企業や学校の近くであれば3LDKといったファミリー向けの間取りのニーズが高いと判断できます。

十分な自己資金を用意する

十分な額の自己資金を準備しておくことも、儲からないマンション経営にしないために心がけたいポイントです。ローンの金額が大きいほど利子の負担が重くのしかかってくるため、しっかりと自己資金の用意ができてからマンション経営を始めるとよいでしょう。

目安としては、物件購入価格の3割程度の自己資金を用意しておけると安心です。

キャッシュフローを考える

マンション経営を成功させるためには、キャッシュフローをしっかりと管理することも重要です。キャッシュフローとは家賃収入から諸費用を差し引いたあとに手元に残る現金の流れのことで、基本的には「家賃収入-(経費+ローン返済額+税金)」の計算式で求められます。

ちなみに、キャッシュフローを計算する際に考慮すべき経費は以下の通りです。

  • 不動産管理会社に支払う管理委託料
  • 火災保険料や地震保険料
  • 修繕積立金
  • 共用部分の管理費用
  • 原状回復費用
  • 広告宣伝費 など

キャッシュフローが良好であれば儲けが大きくなるほか、急な出費や空室リスクにも対応しやすくなります。安定した収益を確保し、リスクに対応できる体制を整えるために、ぜひキャッシュフローを意識した経営を目指していきましょう。

戸数を10戸以上にする

マンション経営を行う場合は、戸数を10戸以上にするとよいでしょう。10戸以上のマンションは税法上「事業的規模」という扱いになり、「青色事業専従者給与」という費用を計上して節税できるためです。

つまり、大きな間取りで少ない戸数のマンションを経営するよりも、小さな間取りで10戸以上を所有するほうがより大きな収益を得られる可能性があります。

建物の維持・管理を徹底する

入居者を維持して安定した収益を得られるよう、建物の維持・管理を徹底することも大切です。適切なメンテナンスを行うことによって建物・設備の老朽化を抑制でき、物件価値の低下や住み心地の悪さによる退去リスクの軽減につながります。

また、定期的に点検することによって建物・設備の状態を把握できるため、修繕計画を立てやすくなることも大きなメリットです。修繕計画を立てておけば修繕に必要な資金を計画的に積み立てることができ、工事が必要なときに費用が足りなくなるリスクを軽減できるでしょう。

信頼できるプロを探す

信頼できるプロを探すことも、儲からないマンション経営を避けるために重要なポイントです。物件探しの際には不動産仲介会社、管理業務にあたっては不動産管理会社を利用するケースも多いですが、その際は実績や運営体制、評判などをチェックして信頼できる会社かどうかを慎重に見極めることをおすすめします。

賃貸経営サポートについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
>>賃貸経営サポートの必要性とその内容とは?管理会社の選び方も解説

不動産管理会社の選び方

データを基に不動産管理会社を選定する様子

不動産管理会社は管理業務をサポートしてくれる大変心強い存在ですが、利用する会社によってサポート内容や管理の仕方などが大きく異なります。安定した収益を目指すために、ぜひ以下の点に注目しながらマンション経営に強い管理会社を選ぶとよいでしょう。

  • 管理実績があるか
  • 具体的な提案をしてくれるか
  • トラブルへの体制が整備されているか

管理実績としては、過去の管理戸数が1万戸以上あるとさまざまな業務やシチュエーションに対応可能なノウハウ・経験値が蓄積されていると判断できます。また、具体的な提案をしてくれるかどうかは、空室が発生した際にどのような対策を行ってくれるかを確認し、物件に適したアイデアでサポートしてくれるところを選ぶとよいでしょう。

そして、トラブルへの体制については、トラブル発生時に迅速に対応してもらえるかをチェックし、相談を受けてから1時間以内に担当者が現場に到着できるような手厚い体制が整備されている管理会社がおすすめです。

管理会社を選ぶポイントは、こちらの記事でさらに詳しく解説しています。
>>管理会社の選び方ポイント5選

儲からないマンション経営を避けるには信頼できるパートナー選びを

マンションのオーナーと不動産管理会社の社員が握手する様子

マンション経営は儲からないと言われることもある一方で、プロのサポートを取り入れることによって着実に「儲かるマンション経営」を目指せます。特に初めてマンション経営を行う方や自力での賃貸管理に不安を感じる方は、ぜひ信頼できる管理会社との二人三脚で経営を進めていきましょう。

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まずはぜひお気軽にご質問・ご相談ください。
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まとめ

マンション経営は儲からないと言われる理由としては、入居者の維持が難しいことや利益を得られるまでに時間がかかること、ローンの負担が大きいことなどが挙げられます。しかし、そういった要因を踏まえたうえで入居者のニーズがある物件を選んだり、十分な自己資金を用意したりとリスク対策をしっかりと行えば、成功の可能性がぐっと高まります。

まずはマンション経営に関する知識をしっかりと身につけ、信頼できるパートナーからのサポートも得ながら儲かるマンション経営を目指していきましょう。

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