家の模型・電卓・植物

はじめに

マンションオーナーとして賃貸経営を行う際には、物件の購入費用や維持管理費、税金といったさまざまなコストがかかります。初期費用だけでなく長期的なランニングコストについてもしっかりと把握したうえで経営を進める必要がありますが、なかには「具体的にどのくらいの費用がかかるのかわからない」と不安を感じている方や、「想定以上に費用負担が大きい」とお悩みの方もいるかもしれません。

そこで、今回はマンションオーナーにかかる主な費用について詳しく解説するとともに、負担を抑えるためのポイントをご紹介します。ぜひ参考にしながら賢く資金計画を立て、安定したマンション経営を目指しましょう。

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マンションオーナーにかかる初期費用

1万円札とCOSTの文字

まずは、マンションオーナーとして経営を始める際にかかる初期費用について押さえておきましょう。

物件取得費用

マンションオーナーにかかる初期費用のうち、最も大きな割合を占めるのが物件取得費用です。購入価格は物件の種類や立地、築年数などによって大きく異なり、数千万円の物件から数億円以上の物件まで幅広くあります。

一般的には金融機関の融資を利用して物件を購入しますが、全額を融資してくれる金融機関はほとんどありません。そのため、契約時は物件価格の10%〜30%程度の頭金を支払うケースが多く、頭金が多ければ多いほど融資額を減らし、長期的な返済負担を軽減することが可能です。

ローン関連費用

ローンを利用してマンション物件を購入する際には、融資事務手数料や保証料などの諸費用がかかります。これらのローン関連費用は「借入額の1%~3%程度」が目安ですが、利用する金融機関によって異なるため、事前にしっかりと確認したうえで借入先を決めることが大切です。

登記費用

マンションの購入にあたっては「所有権移転登記」が必要であるほか、マンション購入時にローンを利用した場合には「抵当権設定登記」も必要となります。登記手続き時にかかる登録免許税の計算方法と税率は以下の通りです。

【登録免許税の計算方法】
物件の課税標準額×税率

【税率】

登記の種類 本則税率 軽減税率(※1)
所有権移転登記(家屋) 2.0% 0.3%
抵当権設定登記 0.4% 0.1%

(※1)2024年度の税制改正により、2027年3月31日まで軽減措置を受けることが可能(所定の要件を満たす必要あり)

参考:土地の売買や住宅用家屋の所有権の保存登記等に係る登録免許税の税率の軽減措置に関するお知らせ|法務局
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/sonota/0020003-124_01.pdf

また、登記手続きを司法書士に依頼する場合は、報酬として10万円〜20万円程度の費用がかかることが多いです。

印紙税

印紙税とは、売買契約書やローン契約書といった不動産契約に関連する文書に対して課される税金です。この税額は契約金額によって異なり、以下のように契約金額が高くなるほど印紙税も高額になります。

契約金額 本則税率 軽減税率(※2)
1,000万円超〜5,000万円以下 2万円 1万円
5,000万円超〜1億円以下 6万円 3万円
5,1億円超〜5億円以下 10万円 6万円

(※2)2024年度の税制改正により、2027年3月31日まで軽減措置を受けることが可能(所定の要件を満たす必要あり)

参考:土地の売買や住宅用家屋の所有権の保存登記等に係る登録免許税の税率の軽減措置に関するお知らせ|法務局
https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/inshi/08/10.htm

不動産取得税

不動産取得税は、取得した不動産の固定資産税評価額に基づいて課せられる税金です。通常は「固定資産税評価額×4%」で算出されますが、2027年3月31日までの取得に対しては軽減措置が適用され、税率が3%に軽減されます。

参考:不動産取得税に係る特例措置|国土交通省
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk2_000020.html

仲介手数料

マンションオーナーが不動産会社を通して物件を購入する場合、成功報酬として仲介手数料を支払う必要があります。仲介手数料は宅地建物取引業法によって上限額が定められており、たとえば物件価格が400万円超の場合には「(物件価格の3%+6万円)+消費税」が上限となっています。

なお、不動産会社への交渉によって手数料を低く抑えられる場合もあるため、物件を購入する前に相談してみるとよいでしょう。

マンションオーナーにかかるランニングコスト

維持費の文字と植物・カップ・ペン

次に、所有しているマンション物件の維持・管理にあたって必要となるランニングコストについて詳しく見ていきましょう。

管理手数料

マンションオーナーの多くが物件の管理業務を不動産管理会社に委託しますが、その場合は管理会社への管理手数料が発生します。一般的には「家賃収入の5%程度」の費用を毎月支払うことで、入居者募集や入居者との契約・更新手続き、クレーム対応、清掃・修繕手配などを管理会社に任せることが可能です。

修繕費(修繕積立金)

修繕費は、将来的な修繕に備えて積み立てておくお金のことです。各戸あたりの修繕積立金としては「月額1万円〜1万5,000円程度」が目安で、いざ修繕工事を行う際に資金不足に陥ることのないよう計画的に積み立てていく必要があります。

固定資産税・都市計画税

マンションオーナーにとって、固定資産税と都市計画税も重要なランニングコストです。この2つの税金は、毎年1月1日の時点で土地や建物を所有している場合に必ず支払う義務があります。

まず、固定資産税は「固定資産税評価額×1.4%」で求められます。評価額は地方自治体によって3年ごとに見直されるため、マンションオーナーは自身の物件の評価額の変動に注意することが大切です。

一方、都市計画税は都市計画区域内に位置する物件のみが対象で、通常は「固定資産税評価額×0.3%」の計算式で算出されます。ただし、税率は地域によって異なる場合があるため、事前にしっかりと確認しておきましょう。

所得税・住民税

マンションオーナーは、賃貸収入に対して所得税と住民税を支払う必要があります。所得税は年間の総収入から必要経費(管理費や修繕費、減価償却費など)を差し引いた課税所得に応じて計算され、税率としては5%〜45%の累進課税方式が適用されます。

また、住民税は個人の所得に基づいて課される税金で、約10%(都道府県民税4%+市区町村民税6%)が課されるケースが一般的です。

各種保険料

万が一の災害に備えて火災保険や地震保険に加入する場合、これらの保険料もランニングコストとして考慮する必要があります。どちらの費用も保険会社や補償内容によって異なりますが、火災保険の保険料は年間3万円〜10万円程度、地震保険の場合は年間2万円〜5万円ほどが相場です。

ローン返済費

ローンを組んで物件を購入したマンションオーナーにとって、ローンの返済費も重要なランニングコストです。ローン返済費には借入金の本体部分である「元金」と、借入時に定められた金利に基づいて計算される「利息」が含まれ、金利や返済期間によって総返済額が大きく変動します。

一般的には返済期間が長くなるほど総返済額は増加するものの、月々の返済額は軽減される傾向にあります。逆に、短い返済期間では月々の負担は大きくなりますが、総利息を低く抑えることが可能です。

共用部分の光熱費

マンションの共用部分の光熱費としては、エレベーターや廊下、ロビーといった共用スペースの電気代や水道代が挙げられます。これらのコストはマンションの規模や設備の種類、使用状況によって異なりますが、一般的には年間で「新築時の価格の0.1%〜0.3%程度」が目安とされています。

この費用は管理組合の運営費として計上されることが多く、入居者が支払う管理費や共益費によって賄われるケースが一般的です。ただし、共益費で賄えない部分をオーナーが負担することもあるため、どのような契約になっているのか事前に確認しておくとよいでしょう。

マンションオーナーにかかる費用負担を軽減するには?

HOWの文字と吹き出し

マンションオーナーとして賃貸経営を行うにはさまざまな費用がかかりますが、以下の点に注意すれば費用負担を軽減することが可能です。

  • 綿密な資金計画を立てる
  • 節税対策を行う
  • 実績豊富な管理会社に管理業務を委託する

具体的な対策について、以下で詳しく見ていきましょう。

綿密な資金計画を立てる

綿密な資金計画を立てることは、長期的な収支を見据えた賃貸マンション経営において必要不可欠です。初期費用やランニングコストの詳細をしっかりと把握したうえで現実的なキャッシュフロー計画を作成するとともに、物件購入時には可能な限り低利で資金を調達できるよう工夫しましょう。

また、予期せぬ費用が突発的に発生するケースに備え、十分な自己資金を準備しておくことも負担軽減につながります。

節税対策を行う

節税対策を行うことも、マンション経営にかかる費用を軽減させるポイントです。特に効果的な節税対策は以下の通りです。

減価償却の活用

建物の取得費用を長期間にわたって経費として計上することにより、課税所得を抑えることができます。

青色申告特別控除の活用

確定申告時に青色申告を行えば、最大65万円または55万円の特別控除を受けることが可能です。

経費計上の徹底

マンション経営に関連する以下のような経費を正確に計上することも、費用負担の軽減につながります。

  • 修繕費
  • 固定資産税
  • 火災保険料や地震保険料
  • 管理会社への手数料
  • 減価償却費
  • 不動産投資ローンの利息 など

法人化の検討

ビジネス規模が拡大したり、所得の増加が見込まれたりする場合に法人化することで、法人税を利用した節税効果を得られます。

実績豊富な管理会社に管理業務を委託する

所有している物件の管理業務は、実績豊富な管理会社に委託するとよいでしょう。多くの実績を誇る管理会社にはノウハウが蓄積されているほか、地域情報にも精通しており、効果的な入居者募集や迅速なトラブル対応によって無駄なコストを軽減できる可能性が高いです。

管理会社の役割やメリットについては以下の記事でも解説しています。
>>賃貸管理とは?不動産管理会社の役割と利用のメリット・デメリット

管理会社を選ぶ際にチェックしたい8つのポイント

ノートに書かれたポイントの文字と色鉛筆

賃貸経営において、適切な管理会社を選ぶことは成功に直結します。ぜひ以下でご紹介する8つのポイントに注目し、信頼できるパートナーを慎重に見つけましょう。

1. 管理戸数の多さ

管理戸数が多いほど経験値が高く、物件を適切に管理し、入居者を確保する能力が高い管理会社と判断することが可能です。また、多くの物件を管理している会社はトラブルへの対応能力も高い傾向があります。

2. 管理物件の入居率

管理物件の入居率は、その会社のサポート力を示す指標といえます。目安としては、入居率が95%以上である管理会社を選ぶと安心です。

3. 空室への提案力

新たに空室が生じた場合に、管理会社がどのような対策を提案してくれるのかチェックすることも重要です。単に家賃を下げるだけでなく、リフォームや人気設備の導入など、多様な対策を提案してくれる会社を選ぶとよいでしょう。

4. 客付け力の高さ

新しい入居者を見つける能力(客付け力)が高い管理会社は、競争力のある市場でもしっかりと収益をもたらせる傾向があります。不動産ネットワークや広告戦略、仲介部門の有無などに注目すると、客付け力の高さを判断しやすいでしょう。

5. トラブル発生時の対応能力

管理会社を選ぶ際は、トラブル発生時の対応能力も重視することが大切です。入居者との間でトラブルが発生することは避けられないため、迅速かつ適切に対応できる管理会社を選びましょう。

たとえば24時間365日対応の緊急連絡先が設けられていたり、トラブルが発生時から1時間以内に現場へ到着できる体制が整っていたりする管理会社は、対応能力が高いと判断できます。

6. 担当者の対応

管理会社と長期的に良好な関係を築くために、担当者の対応の良さにも注目するとよいでしょう。電話・メールのレスポンスの速さや話しやすさ、説明のわかりやすさ、提案力などから、対応の質をしっかりと確認したうえで選ぶことがポイントです。

7. 顧客満足度

顧客満足度が高い管理会社は、入居者やオーナーに対するサービスの質が高い傾向があります。管理会社の公式ホームページやパンフレットに掲載されている顧客の声をチェックすることで、その会社が実際にどのようなサービスを提供し、顧客がどれだけ満足しているかを見極めやすくなるでしょう。

特に数多くの声が載っている場合や実名での掲載がある場合は、顧客満足度が高い会社と判断できます。

8. 管理手数料

先述の通り、管理会社に支払う管理手数料の相場は家賃収入の5%程度です。もし安すぎる場合はサービスの質や隠れたコストが不安視されるため、金額が適切かどうか確認したうえで契約に踏み切るとよいでしょう。

管理会社の選び方については以下の記事でも解説しています。
>>管理会社の選び方ポイント5選

信頼性の高い管理会社をお探しなら

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LIXILリアルティの賃貸管理サービスでは、LIXILのグループ会社 として培ってきた賃貸経営に関するノウハウを活かし、賃貸経営を行うオーナー様向けに多彩な管理サービスを提供しています。具体的なサポート内容は以下の通りです。

  • オーナー様の物件に適した最適な家賃の設定
  • 大手仲介業者やインターネット媒体を活用した入居者の募集・審査
  • 賃貸借契約書の作成・締結
  • 毎月の家賃や共益費の徴収を行い、入金明細書を制作してオーナー様に送金
  • 設備の異常や入居者間のトラブルに関して、24時間体制で迅速に対応
  • 快適な居住環境の維持・向上を目指し、共用部分の清掃を定期的に実施
  • オーナー様との協議のうえで建物設備の保守点検や修繕作業を実施 など

実際に利用されているオーナー様からは、「空室が出ても迅速に新しい入居者を確保できるため、安定した収益を得られている」「雨漏りなどの大きなクレームも円滑に対応してもらえた」といった高い評価が寄せられています。管理手数料も家賃収入の5%と相場に見合った設定となっており、価格の透明性が高いこともおすすめポイントです。

ご興味をお持ちのマンションオーナー様は、まずはぜひお気軽にお問い合わせください。

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まとめ

マンションオーナーとして物件を所有・運営する場合、物件購入時にかかる初期費用だけでなく、管理手数料や修繕費、各種税金といったランニングコストについてもしっかりと把握しておく必要があります。そのうえで綿密な資金計画を立てたり、節税対策を行ったりすることで、負担を軽減しながら安定した賃貸経営を実現できるでしょう。

また、信頼性の高い管理会社を選定し、質の高いサポートを得ることも無駄なコストの軽減につながります。ぜひ賃貸経営のプロとの二人三脚で賢く物件を管理し、賃貸経営の成功を目指してみてください。

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